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ツォツィ

【監督・脚本】ギャヴィン・フッド 【原作】アソル・フガード 【出演】プレスリー・チュエニヤハエ ZOLA テリー・ペート ほか

この映画を観て、何も感じない人間はどうかしてる…。
特に先進国においては、一人でも多くの人が観るべき作品。

オススメ度…★★★★★

   あ ら す じ 

南アフリカ・ヨハネスブルク。アパルトヘイトの爪跡が今も残る社会に生きるひとりの少年がいた。本名は誰も知らない。
ツォツィ=不良と呼ばれるその少年は、仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸にその日を生き延びていた。

ある日、ツォツィは、奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊と出逢う。
生まれたばかりのその小さな命は、封印していたはずのさまざまな記憶を呼び覚ました。
「生きる」意味を見失っていたツォツィは、その小さな命と向き合うことで、はからずも命の価値に気づきはじめるのだが…

感   想  

 久々に泣いた。久々に胸が熱くなったし、キュッと締め付けられるように切なくもなった。そして、どんな人間の中にも、人を愛する心はきっとあるんだと信じたくなりました。

 世界一の格差社会における救いのない生活をリアルに描きながらも、わずかな希望の光がたしかにある。どんな状態でも諦めちゃダメだと優しく語りかけるような作品です。一人でも多くの日本人が、絶対絶対観るべきです。これが、なぜR-15(18やったっけ?)指定なんでしょうか。世界の窮状を知らない若者たちにこそ観せるべきだと思うんですが…

 監督は「南アフリカが問題を抱える中でも未来に希望を抱いているように、どんな人生にも救済とセカンドチャンスがあることを描きたかった」そうです。

 たしかに、主人公のツォツィがそうであるように、極悪非道な犯罪を繰り返す人の中にも、優しい心が眠っていることは珍しくないのかも知れません。特に、南アフリカ共和国のような社会では、ただ、過酷な環境の中でたった一人で生きてきて、教育や愛や命に触れることがなかっただけという若者も多いはず。赤ん坊を見るツォツィのまなざしがそれを物語っています。ツォツィは物語の中の人物ではない。世界中に、無数に存在するんだなと思います。

 今までは「悪いことをするヤツらに更正なんか甘過ぎる」と思っていた私ですが、この映画を見た今は考えが変わりました。彼らにだって救済とセカンドチャンスがあってしかるべきだと。そして、同じ世界に生きる人間として何かしたいと(いつかは黒柳徹子のように!)。やっぱり一番の問題は経済面なんでしょうか。古着の寄付(徹子の部屋で黒谷友香が言ってた)くらいなら今の私にもできそうですが、あれってどこに送ったら良いのでしょうかね。。。

印象に残った セ リ フ 

「でも母親にはなれないわ」

子供に愛情を感じ、手放したくないと思い始めたツォツィに、ある一人の女性が言ったセリフ。
ツォツィの中に温かい気持ちが芽生えているのがわかるだけに、とっても可哀想になりました。
彼に自分の子供がいたら、きっと本当に、ちゃんと愛してあげられる人間なのになぁ…